≪住民税の概要≫

道府県民税および市町村民税

都道府県及び市町村が個人又は法人(人格のない社団を含む。)に対して課する地方税がそれぞれ道府県民税及び市町村民税で、この二つを合わせて住民税といいます。

 

個人の住民税について簡単に説明します。

 〈住民税の納税義務者〉

   1.市町村は次の区分に応じそれぞれに掲げる市町村民税を課します

@市町村内に住所を有する個人・・・・・  所得割及び均等割
          A市町村内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該市町村内に住
            を有しない者・・・・・ 均等割

   2.道府県は次の区分に応じそれぞれに掲げる道府県民税を課します

          @道府県内に住所を有する個人・・・・・  所得割及び均等割
          
A道府県内に事務所、事業所又は家屋敷を有する個人で当該事務所、事業
            所又は家屋敷を有する市町村内に住所を有しない者・・・・・ 均等割

                        注)Aに掲げる者については、事務所等を有する市町村においてそ
                   の市町村ごとに道府県民税の均等割の納税義務を有します。


   均等割とは均等の額によって課する住民税をいいます。

    道府県の均等割の税率は 1,000円です。
              市町村の均等割の税率は 3,000円です。
              (16年度改正により人口段階による税率区分が廃止されました。)


   所得割とは個人の所得によって課する住民税をいいます。

 

 〈非課税〉

  1.均等割及び所得割の非課税

       住民税には所得税と違い人的用件により均等割及び所得割を非課税とする規
        定があります。

       道府県及び市町村は、次のいずれかに該当する者に対しては、住民税の均等
        割及び所得割(Aに該当する者にあっては、退職所得の課税の特例によって
        課する所得割(以下「分離課税に係る所得割」という。)を除く。)を課す
        ことはできない。ただし、この法律の施行地に住所を有しない者については
        この限りでない。

@     活保護法の規定による生活扶助を受けている者

A     障害者、未成年者、老年者、寡婦又は寡夫(これらの者の前年の合計所得金額が125万円を超える場合を除く。)

2.所得割の非課税
      道府県及び市町村は、当分の間、住民税の所得割を課すべき者のうち、その
    者の前年の所得により算定した所得割の課税標準額が、次の算式により算定
    した金額以下である場合には、住民税の所得割(分離課税に係る所得割を除
    く。)を課すことができない。

    【算式】

     35万円×(控除対象配偶者及び扶養親族の数+1)+35万円(注)

       (注)控除対象配偶者又は扶養親族を有する場合に加算します。

3.均等割の非課税

            @市町村は地方税法の施行地に住所有する者で均等割のみを課すべき者
              のうち、前年の合計所得金額が一定の基準に従いその市町村の条例で
              定める金額以下である者に対しては、均等割を課すことはできない。

            A市町村は、その市町村内に住所を有することにより均等割の納税義務
              を有する夫と生計を一にする妻でその市町村内に住所を有するものに
              対しては、均等割を課すことはできない。(16年度改正により平成
              17年度から18年度にかけて段階的に廃止されます。

          B道府県は、市町村民税の均等割を課すことができないこととされる者に
            対しては、当該均等割と併せて賦課徴収すべき道府県民税の均等割を課
            すことができない。

 

〈所得割の算定〉

1.所得割の課税標準

@所得割の課税標準の算定
 所得割の課税標準は、前年の所得について算定した総所得金額、土地
等に係る事業所得等の金額、長期譲渡所得の金額、短期譲渡所得の金
額、株式等に係る譲渡所得等の金額、先物取引に係る雑所得等の金額
(以下「総所得金額等」という。)、退職所得金額及び山林所得金額
とする。

A所得割の総所得金額等の算定方法

@の総所得金額等、退職所得金額又は山林所得金額は、この法律又はこれに基づく政令で特別の定めをする場合を除くほか、それぞれ所得税法その他の所得税に関する法令の規定による計算の例によって算定するものとする

2.特別の定め

上記1.Aに規定する特別の定めには次のものがあります。

@   配当所得等について

平成15年改正前の配当所得については所得税で源泉分離課税を選択した配当所得については所得割の課税標準となり、少額配当に係る所得については、所得割の課税標準から除外されていました。

平成16年度分については個人の道府県民税及び市町村民税の総所得金額の算定の特例があります。

A   青色事業専従者給与及び事業専従者控除

B   損失の繰越控除

C   給与所得者の特定支出の控除の特例

D   特定配当等及び特定株式等譲渡所得金額(平成17年度以降の
   年度分に適用)

〈所得控除〉

所得割の課税標準より次に掲げる所得控除額を控除する。

@     雑損控除額(所得税と同じ)

A     医療費控除額(同上)

B     社会保険料控除額(同上)

C     小規模企業共済等掛金額(同上)

D     生命保険料控除額(所得税と算定方法に違いがあり最高7万円)

E     損害保険料控除額(所得税と算定方法に違いがあり最高1万円)

F     寄付金控除額

(一)対象となる寄付金

イ)都道府県、市町村又は特別区に対する寄付金

ロ)賦課期日現在の住所所在地の都道府県内にある共同募金会及び日本赤十字協会の支部に対する寄付金

(二)算定方法

所得割の課税標準額の合計額の100分の25又は上記(一)の寄付金の合計額のいずれか少ない金額から10万円を控除した金額 

G     障害者控除額(各障害者26万円ただし特別障害者の場合には30万円)

H     老年者控除額(48万円)※平成18年度分以降廃止

I     寡婦(寡夫)控除額(26万円 一定の要件に該当する場合30万円)

J     勤労学生控除額(26万円)

K     配偶者控除(33万円老人控除対象配偶者の場合38万円又、特別障害者で一定の要件に該当する場合56万円もしくは61万円)

L     配偶者特別控除額(最高33万円 平成17年度以降配偶者控除の適用を受ける場合にはこの規定の適用はない。)

M     扶養控除額(各人33万円、特定扶養親族に該当する場合45万円、老人扶養親族に該当する場合38万円、老人扶養親族が本人もしくは配偶者の直系尊属の場合45万円又は特別障害者で一定の要件に該当する場合 56万円、61万円もしくは68万円)

N     基礎控除額(33万円)

 

〈税額の計算〉

 所得割の課税標準額に税率を適用して算出された税額から税額控除額を控除した金額に均等割の税額が加算された金額が、道府県民税及び市町村民税として賦課期日現在の住所所在地の市町村より賦課課税されます。

1.所得割の税率

   次ぎの課税標準額の区分に応じそれぞれに掲げる税率が適用される。

課税標準額

市町村の税率

道府県の税率

200万円以下

100分の3

100分の2

200万円超700万円以下

100分の8

700万円超

100分の10

100分の3

2.税額控除

@     配当控除

A     外国税額控除

B     定率税額控除

C     配当割額又は株式等譲渡所得割額の控除(平成17年度以降の年度分に適用)

D     その他

 



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