電子申告がはじまります。

ITC&税理士 佐 藤 裕 之

1. 電子申告ってなに?

e‐Tax は、正式には「国税電子申告・納税システム」といい、主な特徴と概要は次のようになっています。

(1)ペーパレス化
   国税に関する申告や納税等に関する手続きについては、従来他の官公庁と同様に書面での提出が義務付けられていましたが、書面に代えて国税庁提供ソフトで作成した申告及び申請・届出や納税等に関する電子データをインターネット経由で直接国税庁の受付システムに送信することで、これら申告などの手続きを済ませることができるようになります。

(2)ユビキタス(いつでも、どこでも)
   IT革命といわれる情報機器や情報システムなどのIT環境の急速な進展、ブロード・バンド時代の到来にあって、確定申告時期等の混雑した税務署で長時間待たされることなく、ソコンなどの軽微な機材等の用意と一定の事前手続きにより、国税庁の受付システムの受付時間内であればいつでも、自宅をはじめどこからでも申告手続き等ができるようになります。

(3)セキュリティーは大丈夫?
   e‐Taxの利用は、納税者本人か税理士等に限られますが、Webに特有のなりすましや不正アクセス(接触)改ざん等を防止するため、国税庁の受付システムへのログイン(接続)には利用者識別番号・暗証番号の入力を必要とすることに加え、暗号化された送信データには公的認証局から取得した電子署名と電子証明書の添付を行うこととしています。これらによってプライバシーの保護に万全のセキュリティー対策が期されています。

(4)いつから利用できる?
   電子申告の利用対象となる年度は、利用者が個人の場合は平成15年分以降の確定申告(所得税・個人消費税等)からが対象となりますが、e‐Taxの利用そのものは平成16年6月1日(名古屋国税局管内は16年2月2日)以降となります。また、利用者が法人の場合には平成16年6月末(名古屋国税局管内は平成16年3月末)に申告期限の到来する申告(法人税・法人消費税等)からが対象となりますが、e‐Taxの利用そのものは平成16年6月1日(名古屋国税局管内は16年2月2日)以降となります。

2. どうすればできるの?

   e-Taxを利用するためには、事前に次の準備などが必要となります。

(1) 税務署に届出書を書面で提出する。
   利用者の納税地を所轄する税務署に、「電子申告・納税等開始届出書(以下、開始届出書といいます。)を郵送又は持参して提出します。この開始届出書については、住民票の写し、健康保険証、運転免許証などの本人確認のための書類を提示するか、その写しを添付します。この開始届出書の受付は、平成16年の4月1日(名古屋国税局管内は平成15年11月4日)からとされています。この開始届出書の提出後、税務署からe-Taxの利用に必要な利用者識別番号及び暗証番号が記載された「電子申告・納税地等に係る利用者識別番号等の通知書」と国税庁の提供する「e-Taxソフト」が郵送されてきます。なお、暗証番号は利用初期にセキュリティー対策のため、利用者本人が変更することになります。

(2) 電子証明書を取得する。
   e-Taxの利用については、送信データが利用者の本人作成であることの確認とその改ざんがないことを確認できるように、送信する申告等のデータには電子署名をし、かつその電子証明書を添付することが必要とされています。したがって、その利用までに個人は公的個人認証局(地方公共団体の住基カード)、法人は商業登記認証局、その他は特定認証局(税理士等は日本税理士会連合会が設置)においてそれぞれ電子証明書の取得の申請と受領の手続きを済ませておかなくてはなりません。

(3) ハード(機材)環境等を整える。
   e-Taxの利用については、国税庁提供のe-Taxソフトを使用して申告データ‐等の作成、データ送信、データ送信の際の電子証明書の添付、受信通知等の確認などのための手段や環境を整えなくてはなりませんが、具体的には機材として@パソコン(OSはWindows仕様)AカードリードライターとBインターネット環境等が必要とされます。

3.くわしいお問い合わせは・・・・・・・・

   e-Taxの利用についての詳しい内容については、インターネット上の国税庁のe−Taxホームページ「http://www.e-tax.nta.go.jp」に掲載されていますので、そこで確認されるか、所轄税務署にお尋ね下さい。

   なお、e−Taxについては「ヘルプデスク(電話番号0570−015901)」が設置され、利用方法がわからない場合のお問い合わせは、市内通話料金でご利用できることとされています。



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