年末調整の準備をしましょう!


年末調整とは
  今年も年末調整を行う時期になりました。
年末調整とは給与の支払を受けている人(サラリーマン・OL・パート・アルバイト等)について、毎月の給与や賞与から天引きされる所得税を精算する手続きです。
  給与の支払者は、毎月の給与の支払いの際に「源泉徴収税額表」により所得税の源泉徴収をすることになっていますが、その所得税1年間の合計額は、その源泉徴収された人の年間の給与総額に対する年税額と一致しないのが通常です。
その理由は、
1.源泉徴収税額表は年間を通して毎月の給与額に変動がないものとして作成されているが実際は給与に変動があること。
2.年の途中で扶養親族等に異動があっても、異動後からの修正をするだけで遡及して修正を行わないため。(年末の現況を基準に計算します)
3.配偶者特別控除、生損保保険料控除などは年末調整により控除する事とされているため。
  などがあげられます。
 このような不一致を精算するために、1年間の給与総額が確定する年末にその年に納めるべき税額を計算し、それまでに徴収した所得税との差額を徴収又は還付することが必要になります。この精算手続きが年末調整です。


用意するもの&現況報告
  用意するもの
1.生命保険料控除証明書 (一般用・個人年金用の2種類があります。)
2.損害保険料控除証明書 (短期・長期の2種類があります。)
3.国民健康保険料の領収書等 (支払金額の分かるもの。提出義務はありません。)
4.国民年金等の領収書等 (支払金額の分かるもの。提出義務はありません。)
5.配偶者の収入明細 (源泉徴収票、もしくは見積等) 
 ※1〜4は本年中に控除する本人が支払ったものに限る。

 現況報告
 本年の最初の給与支払日までに提出した扶養控除等申告書の内容に異動が生じた場合はその内容を年末調整事務担当者に報告します。配偶者のパート収入や子供が就職して収入が扶養の基準を超えた、子供が結婚して扶養をはずれた、子供が生まれた、外国に引越す等....です。


医療費と住宅控除は?
  医療費
 本年中に支払った医療費(本人とその本人と生計を一にする親族に係る医療費と通常かかる交通費)の控除は確定申告で精算する事になります。 病院等の領収書や交通費の領収書などを集めておきましょう。医療費や交通費に該当するものとしないもの等詳しくは当事務所にお尋ね下さい。
 住宅控除
 正式名は、住宅借入金等特別控除といいます。本年中に住宅取得用の借入を行って住宅等を購入した場合は控除を受けることができます、ただし購入1年目は年末調整で控除するのではなく確定申告で控除します。その後、管轄税務署より2年目以降の住宅控除用の計算書をまとめて送ってきますので、金融機関等が発行する住宅借入金残高証明書と一緒に該当年分を年末調整事務担当者に提出して下さい。購入1年目の確定申告につきましては当事務所にお尋ね下さい。

扶養について
 「いくらまでなら扶養に入れますか?」とか「103万円までなら扶養にはいれますよね?」などとよくご質問を受けますが、その答えは収入の種類・扶養者の続柄によって変わります。下記一覧表を参考にしてみて下さい。また扶養者は控除する本人と生計を一にするものに限られます。
 ※生計を一にするとは、同一の家屋に住み家計が一つの場合。二世帯住宅は同一の家屋でないため生計を一にしているとは言えません。勤務・就学・療養等の都合上、日常の起居を共にしていなくても生活費・学費・療養費等の送金が常に行われている場合は生計を一にしているものと見なします。(詳しくは所得税法基本通達2−47を参照下さい。)
扶養者の範囲
 一般の扶養(6親等内の血族・3親等内の姻族、下記表参照)
 配偶者  (婚姻の届出のある相手方、夫又は妻)
 ※青色事業専従者として給与の支払を受けている人、白色事業専従者は扶養者の範囲から除かれます。


                                 高祖父母の祖父母
                                        (六)
                                        │
                                  高祖父母の父母
                                         (五)
                               ┌−−−−−┤
                           高祖父母の     │
                            兄弟姉妹       │
                               (六)      高祖父母
                                         (四)
    ┌−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−┤
曽祖伯叔父母                              曽祖父母  曽祖父母
   (五)                                   (三)     (三)
     │          ┌−−−−−−−−−−−−−−−−┤      │
従祖伯叔父母   伯叔祖父母                      祖父母   祖父母
   (六)          (四)                        (二)     (二)
                │          ┌−−−−−−−−−┤      │−−−−−┐
            従伯叔父母    伯叔父母           父母     父母     伯父父母
              (五)        (三)             (一)     (一)      (三)
                 │          │      ┌−−−−┤      │−−−−┐
           再従兄弟姉妹   従兄弟姉妹   兄弟姉妹  自分-┬-配偶者  兄弟姉妹
               (六)        (四)     (二)          │          (二)
                         │       │          子            │
                        従甥姪    甥姪        (一)          甥姪
                        (五)     (三)         │           (三)
                         │       │           孫          
                       従甥姪孫   甥姪孫        (二)        
                        (六)     (四)         │        
                                 │         曾孫       
                               曽甥姪孫       (三)      
                                 (五)         │      
                                  │         玄孫     
                               玄甥姪孫        (四)    
                                 (六)          │      
                                           来孫      
                                           (五)     
                                            │       
                                           昆孫      
                                            (六)      

収入の範囲
 配偶者と一般の扶養者とでは違があります、下記の表を参考にして下さい。
給与収入を基準に表を作成しています、給与収入以外の収入につきましては当事務所にお尋ね下さい。

配偶者の場合
パート等の給与収入 配偶者控除 配偶者特別控除 配偶者自身の税金
100万円以下 無し
100万円超〜103万円未満 市・府県民税
103万円 不可 市・府県民税
103万円超〜141万円未満 不可 所得税、市・府県民税
141万円以上 不可 不可 所得税、市・府県民税

一般の扶養者の場合
アルバイト等の給与収入 扶養控除 扶養者自身の税金
100万円以下 無し
100万円超〜103万円以下 市・府県民税
103万円超 不可 所得税、市・府県民税




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