貯蓄をお考えの方は2                               

投資信託investment trust   

こんにちは。1年は早いものであっという間に12月、歳も暮れになり忙しい方も多いと

思いますが、息抜きと思って御覧になって頂ければ嬉しいです。

前回「貯蓄をお考えの方は」では、定期の預貯金について簡単に説明しました。この預

貯金という方法は、お金を貯めるという目的では一般的に最もポピュラーで安全なもので

はないでしょうか。しかし、「預貯金だけでは今までと変わりがない」という方を含めて、

今回は「個人の資産運用に向いている」といわれる投資信託での貯蓄を見ていこう

と思います。

 

    まず投資信託とは何でしょうか?

投資信託とは、簡単にいうと「投資家が専門家へ資金を預けて運用を任せ、その運用に

よって得られた収益を、分配金や償還金という形で投資家に還元する」ことをいいます。

少し詳しくいうと、「不特定多数の投資家から集められた資金をまとめて大口資金とし、

これを専門家(投信委託会社)が、債権や株式の有価証券に分散投資して収益を計ります。

そして、生じた収益を分配金や償還金という形で投資家に還元すること」を投資信託と言

います。

投資信託は一般的に、@投資家A販売会社(証券会社、銀行など)、B運用会社(投資信

託会社)C管理銀行(信託銀行など)の4者間で成り立ち、次のような構成になっていま

す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


                                                                 

 

 

★最近では販売会社を経由しない「直販」というのがあり、メリットとして販売手数料が無料になるも

のもあります。直販は主にインターネットや通信販売で行われています。

(注:投資信託は証券会社などの販売会社が運用しているのではありません。購入の窓口とイメージして

下さい。)

 

    それぞれの役割

投資家(受益者)

商品(ファンド)を購入(受益証券を取得)する事によって受益者となり、分配金や

償還金を受取る権利や、換金を請求する権利を持つことになります。

 

販売会社(販売者)

販売手段をほとんど持たない投信委託会社に代わって、投資家に商品(ファンド)を

売る役割を持ちます。また、投資家の受益証券を保護預りして代わりに預り証を配布し

たり、決算時の案内兼支払い通知書などの発送、目論見書・運用報告書の交付を行った

りしています。販売会社は運用に一切関わりを持たず、その権限もありません。

 

投信委託会社(運用)

投信委託会社は、商品(ファンド)の発行元であり、ファンドを委託、運用する役割

を持ちます。情報の収集や分析、運用方針の決定を行い、委託契約を結んでいる受託銀

行に運用の指図をします。当然ファンドの実績を握るのもこの会社だといえます。また、

受益証券を発行する所でもあります

 

受託銀行(管理)

受託銀行は、預かった資金を保管、管理する役割を持ちます。投信委託会社の指図の

下で株式や公社債を売買したり、信託財産の名義人となって管理を行ったり、為替の管

理なども行っています。投信における受託銀行は、信託銀行または信託業務を営む銀行

と決められています。

 

☆投資信託の魅力と留意点

投資信託の魅力

まず、@一般的に預貯金の利息より高い利回りで分配金が受取れることや、A有価証

券や金融商品等と比較しても小額の資金から始められること(一万円程の資金から開始

できる商品もあります)、またB専門家に運用を任せることで効率的に資金を運用しても

らえる点C分散投資によるリスクの軽減などが挙げられます。

 

投資信託の留意点

投資信託は運用をプロに任せる事と分散投資をする事、独立した4者間で成立している

事などから、株式に比べ安全性が高い商品と言われていますが、投資信託は預貯金と違っ

て、預金保険制度がありません。つまり投資金額が保証されないということですので、運

用状況が悪化すれば、配当金はもちろんのこと、元金割れをする可能性すらあります。リ

ターンのためにはリスクを背負うということも必ず念頭に入れておいて下さい。

 

 今回はここまでです。少し簡単すぎたでしょうか?次回は、投資信託の大まかな種類

や課税関係についての予定をしています。投信に興味が持てた方は楽しみにして下さい。

 

 

 

注釈・用語説明 

       分散投資とは、一種類の有価証券のみに頼らず、いくつかの有価証券に分けて投資

することをいいます。こうしておくことで、万一ある商品がダメになっても、他の

商品で補うことが可能と予想できます。

 

       受益証券とは、収益(分配金、償還金)を受ける権利(→受益権)を証券という形

にしたもので、普通は販売会社が無料で保護預りしています。

 

       目論見書というのは、投信や保険など商品を購入する際の募集資料のことをいいま

す。商品についての詳細や発行者の情報等が記載されたいわば説明書のようなもの

です。投信の場合、販売側はこの目論見書を購入前に配布する義務があります。

(注:販売窓口に行かなくても、インターネットで確認できるものが多くあります。)

 

        運用報告書というのは、運用実績や、運用方針が記載されている報告書のことを

いいます。投信委託会社は決算期ごとにこれを作成し、販売会社を通じて投資

家に配布することが義務づけられています。(※1年決算ものは年1回、半年・3ヶ月・

毎月・毎日決算ものは半年に1回〈例外もあります〉)

 

        預金保険制度とは、万一銀行が破綻した場合でも、一金融機関につき預金額上限

1,000万円とその利息分までが保護され、預金者に払戻しされる制度をいいます。

(注:平成173月末まで普通預金、当座預金については全額が保護されます。)




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